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ノートパソコンの動きが重くなってきて、「メモリを増やせば速くなる」と聞いた。でも、自分でパソコンを開けるのは初めてで、何を買えばいいのか、本当に自分の機種でできるのかが分からない。そんな人に向けた記事です。
メモリの増設は、対応している機種なら、ネジを数本外してメモリを挿すだけの作業です。ただし、最近の薄型ノートパソコンは増設できない機種も多く、メモリの規格を間違えると挿すこともできません。
この記事では、増設できるかの確認方法、メモリの規格の選び方、作業の準備と手順、保証の注意点を順番に説明し、ノートパソコン用のおすすめメモリと作業用品の5製品を、メーカーの公式仕様をもとに紹介します。
この記事でわかること
確認して、選んで、
挿すだけ。
増設できるかの確認/DDR4とDDR5の選び方/手順とおすすめ5選
まず確認:そのノートパソコンは増設できる?
CHECK
買う前に、
スロットの有無を確かめる。
増設できるかを確認する方法
いちばん大切なのは、メモリを挿す「スロット」があるかどうかです。最近の薄型ノートパソコンは、メモリが基板に直付け(オンボード)になっていて、スロットがない機種が多くあります。この場合、メモリは増設できません。
メーカーの仕様表を見る
パソコンのメーカーの製品ページや仕様表、取扱説明書で、次の項目を確認します。
仕様表で見る項目
- メモリスロットスロットの数と、空いているスロットの数
- 最大メモリ容量そのパソコンで使える最大の容量
- オンボード「オンボード」とだけ書かれていて、スロットの記載がなければ増設できない
- メモリの規格DDR4かDDR5か。速度(3200、5600など)も確認
「オンボード8GB+空きスロット1」のような機種は、空いているスロット1つ分だけ増設できます。型番は、パソコンの底面のシールや、Windowsの「設定」→「システム」→「バージョン情報」で確認できます。
タスクマネージャーで今のメモリを見る
Windowsでは、Ctrl+Shift+Escでタスクマネージャーを開き、「パフォーマンス」タブの「メモリ」を選ぶと、今のメモリの容量や速度が表示されます(メモリメーカーCorsairの解説)。同じ画面に、使われているスロットの数が表示されることもありますが、オンボードのメモリしかない機種では正しく表示されない場合があるので、最終的にはメーカーの仕様表で確認してください。
メモリの選び方:DDR4かDDR5か
DDR4とDDR5のノートパソコン用メモリ
DDR4 SO-DIMM
- 260ピン
- 電圧1.2V(Kingstonの例)
- 少し前のノートパソコンに多い
DDR5 SO-DIMM
- 262ピン
- 電圧1.1V(Kingstonの例)
- 新しいノートパソコンに多い
ピンの数と切り欠きの位置が違うので、DDR4のパソコンにDDR5は挿さりません(逆も同じ)。
ノートパソコン用のメモリは「SO-DIMM」という形です。パソコンが対応している規格(DDR4かDDR5か)と同じものを選びましょう。速度は、パソコンが対応している速度と同じか、それより速いものを選ぶのが一般的で、速いメモリを挿しても、パソコンが対応する速度で動きます。
容量の選び方は、今のメモリと同じ容量、同じ規格のものを足すのが基本です。例えば、8GBが1枚入っていて空きスロットが1つあるなら、同じ規格の8GBを足して16GBにします。同じ仕様の2枚をそろえると、2枚を同時に使って転送を速くする「デュアルチャネル」で動きやすくなります。8GBと16GBのどちらが必要かは、メモリは8GBと16GBのどっちがいいかで解説しています。
なお、定番だったCrucialのメモリは、米Micronが2025年12月にコンシューマー向け事業からの撤退を発表し、2026年2月で出荷を終えています。販売済みの製品の保証は続けると発表されていますが、新品は流通在庫だけです。この記事では、現行品として販売が続いているKingstonのメモリを選びました。
作業の前に知っておきたい注意点
作業の前の注意点
- 保証:メーカーがユーザーの増設を認めている機種か、取扱説明書で確認。作業で起きた故障は保証の対象外になることがある
- バックアップ:作業の前に大切なデータを必ずバックアップする
- 静電気:メモリは静電気に弱い。金属に触れて放電するか、静電気防止バンドを使う
- ネジ:裏ぶたのネジは長さが違うことがある。外した位置ごとに分けて置く
保証期間中のパソコンは、メーカーがメモリの増設を認めているか、取扱説明書やサポートページで確認してから作業してください。裏ぶたを開けると保証の対象外になる機種もあります。
メモリ増設の手順
HOW
電源を切って、
斜めに挿して倒す。
ノートパソコンのメモリを増設する一般的な流れ
メモリ増設の手順
- 完全にシャットダウンするスリープや休止状態ではなく、電源を完全に切る
- 電源を外すACアダプターを抜く。バッテリーを外せる機種は外す。内蔵バッテリーの機種は、メーカーの手順があれば従う
- 静電気を逃がす金属に触れて放電するか、静電気防止バンドを着ける。メモリの金色の端子には触らない
- 裏ぶたを開ける精密ドライバーでネジを外す。ツメで留まっているものは、樹脂のヘラで少しずつ外す
- メモリを挿す約30度の角度で奥まで斜めに差し込み、パチッと音がするまで下に倒して固定する
- 確認するふたを閉めて電源を入れ、タスクマネージャーで容量が増えたか確かめる
メモリを交換する場合は、スロットの左右にある留め具を外側に開くと、古いメモリが斜めに起き上がるので、そのまま引き抜きます。増設後に初めて電源を入れたときは、メモリのチェックのため、画面がしばらく暗いままのことがあります。焦らずに待ちましょう。
この手順は一般的な流れです。機種によってふたの開け方や、バッテリーの扱いが違うので、パソコンのメーカーの手順書がある場合は、そちらを優先してください。
DDR4のノートの定番
Kingston ValueRAM KVR32S22S8/16
DDR4-3200・16GB
DDR5のノートの定番
Kingston ValueRAM KVR56S46BS8-16
DDR5-5600・16GB
DDR5を少し速く
Kingston FURY Impact KF556S40IB-16
DDR5-5600・CL40
DDR4を少し速く
Kingston FURY Impact KF432S20IB/16
DDR4-3200・CL20
静電気対策
サンワサプライ TK-SE11
コードレスの静電気防止バンド
ノートパソコンのメモリ増設におすすめの5選
メモリの仕様はKingstonの公式ページの記載(2026年10月時点)です。メモリの価格は2025〜2026年にかけて大きく変動しているため、価格は販売店で確認してください。
| 商品 | 規格 | 容量 | 速度・CL | 電圧 | 保証 |
|---|---|---|---|---|---|
| Kingston ValueRAM KVR32S22S8/16 | DDR4 SO-DIMM(260ピン) | 16GB | 3200・CL22 | 1.2V | 製品寿命期間 |
| Kingston ValueRAM KVR56S46BS8-16 | DDR5 SO-DIMM(262ピン) | 16GB | 5600・CL46 | 1.1V | 製品寿命期間 |
| Kingston FURY Impact KF556S40IB-16 | DDR5 SO-DIMM(262ピン) | 16GB | 5600・CL40 | 1.1V | 製品寿命期間 |
| Kingston FURY Impact KF432S20IB/16 | DDR4 SO-DIMM(260ピン) | 16GB | 3200・CL20 | 1.2V | 製品寿命期間 |
| サンワサプライ TK-SE11 | 静電気防止バンド | — | — | — | — |
Kingston ValueRAM DDR4-3200 SO-DIMM(KVR32S22S8/16)
メーカー:Kingston
DDR4のノートパソコンの定番。標準規格どおりに動く安心のメモリ
Kingstonの「ValueRAM」は、業界標準のJEDECの仕様どおりに作られた、標準的なメモリです。KVR32S22S8/16は、DDR4-3200のノートパソコン用(SO-DIMM、260ピン)で、容量は16GB、CLは22、電圧は1.2Vです。保証は製品寿命期間です。
特別な設定をせずに、標準の速度で動く作りなので、初めての増設でも選びやすいメモリです。8GBが必要な場合は、同じシリーズのKVR32S22S8/8があります。なお、似た型番のKVR32S22S6/8(8GB)は、公式ページで生産終了と表示されています。
DDR4に対応したノートパソコン専用で、DDR5のパソコンには挿せません。速度を上げる機能(XMPなど)はありませんが、ノートパソコンでは通常、標準の速度で使うので問題ありません。
| 規格 | DDR4 SO-DIMM(260ピン) |
| 容量 | 16GB(8GBはKVR32S22S8/8) |
| 速度 | 3200MT/s、CL22 |
| 電圧 | 1.2V |
| 保証 | 製品寿命期間 |
| 価格 | オープン価格 |
良いところ
- 標準の仕様どおりに動き、初めてでも選びやすい
- 製品寿命期間の保証
- 8GBと16GBを選べる
気になるところ
- DDR4のパソコン専用
- 速度を上げる機能はない
こんな人におすすめ:DDR4のノートパソコンに、定番のメモリを足したい人。
Kingston ValueRAM DDR5-5600 SO-DIMM(KVR56S46BS8-16)
メーカー:Kingston
DDR5のノートパソコンの定番。新しめのノートの増設に
DDR5-5600のノートパソコン用メモリ(SO-DIMM、262ピン)です。容量は16GBで、CLは46、電圧は1.1Vです。ValueRAMなので、標準の仕様どおりに動き、保証は製品寿命期間です。
DDR5のスロットがある新しめのノートパソコンで、メモリを16GBや32GBに増やしたい人に向いています。パソコンが5600MT/sより遅い速度にしか対応していない場合は、パソコンの対応速度で動きます。
DDR5に対応したノートパソコン専用です。DDR5世代の薄型ノートパソコンは、メモリが直付けでスロットがない機種が多いので、買う前に仕様表でスロットの有無を必ず確認してください。
| 規格 | DDR5 SO-DIMM(262ピン) |
| 容量 | 16GB |
| 速度 | 5600MT/s、CL46 |
| 電圧 | 1.1V |
| 保証 | 製品寿命期間 |
| 価格 | オープン価格 |
良いところ
- 標準の仕様どおりに動く
- 製品寿命期間の保証
- DDR5のノートで選びやすい
気になるところ
- DDR5のパソコン専用
- CL46で、FURY Impactより反応は少し遅い
こんな人におすすめ:DDR5のスロットがあるノートパソコンを増設したい人。
Kingston FURY Impact DDR5 SO-DIMM(KF556S40IB-16)
メーカー:Kingston
挿すだけで速度が上がるPlug N Play。ゲーミングノートにも
Kingstonのゲーミング向けブランド「FURY」の、ノートパソコン用DDR5メモリです。KF556S40IB-16は、DDR5-5600、CL40、16GBで、電圧は1.1Vです。BIOSの設定を変えなくても、挿すだけで対応する最高の速度まで自動で動く「Plug N Play」に対応しています。
ValueRAM(CL46)よりCLの数字が小さく、反応の速さで少し有利です。Intel XMP 3.0の認証も取得していて、データの誤りを訂正するオンダイECCを備えています。保証は製品寿命期間です。
ValueRAMより価格は高めです。パソコンが5600MT/sに対応していない場合は、パソコンの対応速度で動きます。普段の在宅ワークが中心なら、ValueRAMでも十分です。
| 規格 | DDR5 SO-DIMM(262ピン) |
| 容量 | 16GB |
| 速度 | 5600MT/s、CL40 |
| 電圧 | 1.1V |
| 機能 | Plug N Play、Intel XMP 3.0認証、オンダイECC |
| 保証 | 製品寿命期間 |
| 価格 | オープン価格 |
良いところ
- 挿すだけで対応速度まで自動で動く
- CL40で反応が少し速い
- 製品寿命期間の保証
気になるところ
- ValueRAMより高め
- 在宅ワーク中心なら性能差を感じにくい
こんな人におすすめ:ゲーミングノートや、少しでも速いメモリを選びたい人。
Kingston FURY Impact DDR4 SO-DIMM(KF432S20IB/16)
メーカー:Kingston
DDR4のノートを少しでも速く。CL20のPlug N Playメモリ
FURY ImpactのDDR4版です。KF432S20IB/16は、DDR4-3200、CL20、16GBで、電圧は1.2Vです。DDR5版と同じくPlug N Playに対応し、挿すだけで最大3200MT/sまで自動で動きます。
ValueRAMのDDR4(CL22)よりCLの数字が小さいモデルです。保証は製品寿命期間です。容量は8GBや32GBもあり、DDR4のノートパソコンを長く使いたい人の増設に向いています。
DDR4のパソコン専用です。2枚組のキットを分けて販売・使用すると保証が無効になると公式に注記されているので、2枚で使うならキットのまま使ってください。
| 規格 | DDR4 SO-DIMM(260ピン) |
| 容量 | 16GB |
| 速度 | 3200MT/s、CL20 |
| 電圧 | 1.2V |
| 機能 | Plug N Play |
| 保証 | 製品寿命期間 |
| 価格 | オープン価格 |
良いところ
- 挿すだけで動くPlug N Play
- CL20で反応が少し速い
- 製品寿命期間の保証
気になるところ
- DDR4のパソコン専用
- ValueRAMより高め
こんな人におすすめ:DDR4のノートパソコンを、少しでも速くしたい人。
サンワサプライ 静電気防止リストバンド(コードレスタイプ) TK-SE11
メーカー:サンワサプライ
手首に着けるだけの静電気対策。初めての作業の不安を減らす
メモリは静電気に弱い部品なので、作業のときは静電気対策をしておくと安心です。TK-SE11は、導電繊維を入れたゴムバンドを手首に着けるだけの、コードレスタイプの静電気防止バンドです。コードをどこかにつなぐ必要がないので、机の上で手軽に使えます。
メモリの増設は年に何度もする作業ではありませんが、SSDの換装などほかのパーツの作業にも使えます。作業の前に金属に触れて放電する方法とあわせて使うと、より安心です。
公式ページで価格や抵抗値などの細かい仕様は確認できなかったので、販売店で確認してください。静電気防止バンドを着けていても、メモリの金色の端子やチップには直接触れないようにしましょう。
| 種類 | 静電気防止リストバンド(コードレス、導電繊維入りゴムバンド) |
| 型番 | TK-SE11 |
良いところ
- 着けるだけで手軽
- コードがなく、机の上で使いやすい
気になるところ
- 細かい仕様と価格は公式で確認できない
こんな人におすすめ:初めてパソコンを開けて作業する人。
増設がうまくいかないときは
増設したのに容量が増えていない、電源を入れても画面が映らない、という場合は、まずメモリがしっかり奥まで挿さって、左右の留め具で固定されているかを確認してください。一度抜いて、挿し直すと直ることがあります。それでも直らない場合は、メモリの規格や速度がパソコンに合っているか、メーカーの仕様表をもう一度確認しましょう。
メモリを増やしても遅いままなら、原因がほかにあるかもしれません。ストレージがHDDならSSDへの換装が効くことがあり、CPUが古い場合は買い替えも検討しましょう。判断の目安は、パソコンは買い替えと増設どっちがいいかで解説しています。
よくある質問
8GBと16GBを混ぜて使ってもいいですか?
多くのパソコンで使えますが、同じ容量・同じ仕様の2枚をそろえたほうが、2枚を同時に使うデュアルチャネルで動きやすくなります。迷ったら、今入っているメモリと同じ容量・同じ規格のものを選びましょう。
メモリはどこまで増やせますか?
パソコンの「最大メモリ容量」までです。メーカーの仕様表で確認してください。Kingstonの公式サイトでは、型番のページから互換性のあるパソコンの一覧も確認できます。
自分で作業するのが不安です。
家電量販店やパソコンショップには、メモリの増設を代行してくれるサービスがあります。保証期間中のパソコンは、メーカーの有償サービスで増設できる場合もあるので、確認してみてください。
まとめ|スロットの確認と規格の一致が9割
ノートパソコンのメモリ増設は、メモリのスロットがある機種なら、ネジを外してメモリを挿すだけの作業です。大切なのは、買う前にスロットの有無と、DDR4かDDR5かを仕様表で確認することです。
DDR4のノートならKingston ValueRAM KVR32S22S8/16、DDR5のノートならKVR56S46BS8-16が選びやすい定番です。少しでも速くしたいならFURY Impactも候補になります。静電気対策をして、落ち着いて作業してみてください。
※価格・在庫・仕様は記事作成時点(2026年10月)のものです。最新の情報はリンク先の商品ページでご確認ください。