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「最近パソコンの動きが遅い。新しいのを買うべき?それとも、メモリやSSDを足せば直る?」。数年使ったパソコンでは、よくある悩みです。
結論から言うと、遅さの原因がメモリ不足やHDD(ハードディスク)なら、増設や換装で見違えるほど快適になることがあります。一方で、CPUが古くてWindows 11に対応していないパソコンは、部品を足しても解決できないので、買い替えたほうが確実です。
この記事では、まずパソコンが遅い原因の調べ方を説明し、増設・換装で直るケースと買い替えたほうがいいケースを整理します。そのうえで、増設・換装に使う定番のパーツ5製品を、メーカーの公式仕様をもとに紹介します。
この記事でわかること
遅いパソコン、
直すか買い替えるかを決める。
原因の調べ方/増設で直るケース・買い替えるべきケース/使うパーツ5選
判断の前に:Windows 11に対応しているか確認する
最初に確認したいのは、そのパソコンがWindows 11に対応しているかどうかです。Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了しました。個人向けの「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」に登録すれば、2027年10月12日までセキュリティ更新を受けられますが、新しい機能や技術サポートは含まれません。ESUは、あくまで買い替えまでの猶予期間と考えるのが現実的です。
Windows 11の主な要件
Microsoftが公開しているWindows 11の主なシステム要件は、次のとおりです。
| 項目 | Microsoftの公式の要件 |
|---|---|
| プロセッサー(CPU) | 1GHz以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサー(対応CPUの一覧に載っていること) |
| メモリ | 4GB |
| ストレージ | 64GB以上 |
| ファームウェア | UEFI、セキュアブート対応 |
| TPM | TPM 2.0 |
CPUは、Microsoftの対応プロセッサーの一覧で確認します。目安として、IntelのCoreシリーズなら第8世代以降、AMDならRyzen 2000シリーズ以降が一覧に載っています。Windows 10のパソコンなら、Microsoftの「PC正常性チェック」アプリで、Windows 11に上げられるかを確認できます。
CPUは後から交換できない
ここが買い替えか増設かの大きな分かれ目です。Microsoftのサポート記事では、CPUの速度やコア数はプロセッサーの設計で決まるもので、後から増設できる部品ではないと説明しています。一方で、メモリが足りない場合は増設できる場合があり、ストレージが足りない場合はドライブを交換できる場合がある、としています。
増設で直せるもの、直せないもの
増設・換装で直せる
- メモリ不足(増設できる機種なら)
- HDDの遅さ(SSDに換装)
- ストレージの容量不足
増設・換装では直せない
- CPUの古さ・遅さ
- Windows 11の要件を満たさないCPU
- メモリが基板に直付けで、スロットがない
CPUがWindows 11の要件を満たしていないなら、増設より買い替えを考えましょう。
パソコンが遅い原因の調べ方
CHECK
まずはタスクマネージャーで、
何が詰まっているか見る。
遅さの原因を調べる手順
Microsoftは、パソコンが遅いときは、タスクマネージャーでCPU、メモリ、ディスクの使用状況を確認すると、遅くしている原因を見つけやすいと案内しています。
遅さの原因を調べる手順
- タスクマネージャーを開くキーボードのCtrl+Shift+Escを同時に押す
- 使っていないアプリを閉じる[プロセス]タブで、使っていないアプリを終了する
- スタートアップを減らす[スタートアップ アプリ]で、起動時に動く不要なアプリを右クリックして無効にする
- パフォーマンスを見る[パフォーマンス]タブで、メモリとディスクの使用率を確認する
- ディスクの種類を見るディスクがHDDかSSDかを確認する
いつもの作業をしているときに、メモリの使用率がずっと高いままなら、メモリ不足が原因の可能性があります。ディスクの使用率がずっと高く、種類がHDDなら、SSDへの換装で改善しやすいです。Microsoftは使用率の具体的な基準を示していないので、ここでの目安は一般的な考え方として読んでください。
増設・換装で直るケースと、買い替えたほうがいいケース
WHY
原因が分かれば、
直すか買い替えるかが決まる。
ケース別の判断の目安
| パソコンの状態 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| CPUがWindows 11に対応・メモリ8GB以下・メモリの使用率が高い | メモリ増設 | 空きスロットがあれば、数千〜1万円台で改善しやすい |
| CPUがWindows 11に対応・ストレージがHDD | SSDに換装 | 起動やアプリを開く速さが大きく変わりやすい |
| CPUがWindows 11に対応・SSDの容量が足りない | 大きいSSDに換装 | データを移して、そのまま使い続けられる |
| CPUがWindows 11に非対応 | 買い替え | CPUは交換できず、ESUの期限後は更新を受けられない |
| メモリが直付けで増設できない・使用率が高い | 買い替え | メモリを増やす方法がない |
増設・換装の前に確認すること
作業の前に確かめること
- メモリのスロット:メーカーの仕様表で「メモリスロット」「空きスロット」を確認。薄型ノートは基板に直付けでスロットがない機種が多い
- メモリの規格:DDR4とDDR5は形が違い、互いに挿せない
- SSDの形:2.5インチ(SATA)か、M.2(NVMe)か
- 保証:ユーザーの分解や増設を認めているかはメーカーごとに違う。取扱説明書と保証規定を確認
- データのバックアップ:作業の前に大切なデータを必ずバックアップする
分解すると、パソコンのメーカー保証の対象外になる場合があります。保証期間中のパソコンは、取扱説明書や保証規定を確認してから作業してください。
なお、メモリで定番だったCrucialブランドは、米Micronが2025年12月にコンシューマー向け事業からの撤退を発表し、2026年2月末で出荷を終えています(PC Watchの報道)。この記事では、現行品として販売が続いているKingstonとSamsungのパーツを選びました。
DDR4のノートのメモリ増設
Kingston FURY Impact DDR4
DDR4-3200・永久保証
DDR5のノートのメモリ増設
Kingston FURY Impact DDR5
DDR5-5600・16GB/32GB
HDDからSSDへ換装
Samsung 870 EVO
2.5インチ・7mm厚
M.2のSSDを交換
Samsung 990 EVO Plus
NVMe・読み出し最大7,250MB/s
SSDのコピーを簡単に
玄人志向 KURO-DACHI/CLONE/NVMe
PCなしでクローン
増設・換装に使うおすすめパーツ5選
仕様はメーカー(Samsungは日本の正規代理店ITGマーケティング)の公式ページの記載(2026年10月時点)です。価格はいずれもオープン価格で、販売店によって変わります。
| 商品 | 種類 | 対応するPC | 主な仕様 | 保証 |
|---|---|---|---|---|
| Kingston FURY Impact DDR4 | ノート用メモリ | DDR4のSO-DIMMスロットがあるPC | DDR4-3200、8/16/32GB | 永久保証 |
| Kingston FURY Impact DDR5 | ノート用メモリ | DDR5のSO-DIMMスロットがあるPC | DDR5-5600、16/32GB | 製品寿命期間 |
| Samsung 870 EVO | 2.5インチSSD | 2.5インチのHDD・SSDを使うPC | SATA、読み出し最大560MB/s | 5年(またはTBW) |
| Samsung 990 EVO Plus | M.2 SSD | M.2(NVMe)スロットがあるPC | 読み出し最大7,250MB/s | 5年(またはTBW) |
| 玄人志向 KURO-DACHI/CLONE/NVMe | SSDスタンド | M.2 NVMe SSDのコピーに使う | PCなしでクローン | 1年 |
Kingston FURY Impact DDR4 SO-DIMM(DDR4-3200)
メーカー:Kingston
DDR4のノートパソコンのメモリ増設の定番。挿すだけで動く
ノートパソコン用(SO-DIMM)のDDR4メモリです。公式ページでは、BIOSの設定を変えなくても、挿すだけで最大3200MT/sまで自動で動く「Plug N Play」に対応しています。電圧は1.2Vで、IntelとAMDの両方に対応しています。保証は永久保証です。
容量は単体で8GB(KF432S20IB/8)、16GB(KF432S20IB/16)、32GB(KF432S20IB/32)があります。メモリが8GBのノートパソコンに8GBを足して16GBにする、といった使い方が一般的です。Kingstonの型番ページからは、互換性のあるパソコンの一覧も確認できます。
注意したいのは、DDR4に対応したパソコン専用であることです。DDR5のパソコンには形が違うので挿せません。メモリが基板に直付けのパソコンにも使えません。2枚組のキットを分けて販売・使用すると保証が無効になると公式に注記されています。
| 規格 | DDR4 SO-DIMM(260ピン) |
| 速度 | 3200MT/s、CL20 |
| 電圧 | 1.2V |
| 容量(単体) | 8GB/16GB/32GB |
| 型番の例 | KF432S20IB/16(16GB) |
| 保証 | 永久保証 |
| 価格 | オープン価格 |
良いところ
- 挿すだけで動くPlug N Play
- 容量の選択肢が広い
- 永久保証
気になるところ
- DDR4のパソコン専用
- メモリ直付けの機種には使えない
こんな人におすすめ:DDR4のメモリスロットがあるノートパソコンのメモリを増やしたい人。
Kingston FURY Impact DDR5 SO-DIMM(DDR5-5600)
メーカー:Kingston
DDR5世代のノートパソコン用。16GBと32GBを選べる
ノートパソコン用のDDR5メモリです。DDR4版と同じくPlug N Playに対応し、挿すだけで最大5600MT/sまで自動で動きます。電圧は1.1Vで、データの誤りを訂正するオンダイECCを備えています。保証は製品寿命期間です。
5600MT/sの単体モジュールは、16GB(KF556S40IB-16)と32GB(KF556S40IB-32)があります。シリーズ全体では4800〜6400MT/sの速度がありますが、多くの場合、パソコンが対応する速度で自動的に動きます。どの速度を選ぶかは、パソコンの仕様表やKingstonの互換性リストで確認してください。
DDR5世代の薄型ノートパソコンは、メモリが基板に直付け(LPDDR5など)でスロットがない機種が多いので、買う前に仕様表で「メモリスロット」を必ず確認しましょう。DDR4のパソコンには挿せません。
| 規格 | DDR5 SO-DIMM(262ピン) |
| 速度 | 5600MT/s、CL40 |
| 電圧 | 1.1V |
| 容量(単体) | 16GB/32GB |
| 型番の例 | KF556S40IB-16(16GB) |
| 保証 | 製品寿命期間 |
| 価格 | オープン価格 |
良いところ
- 挿すだけで動くPlug N Play
- オンダイECCで安定性を高めている
- 長期保証
気になるところ
- DDR5のパソコン専用
- 直付けメモリの薄型ノートには使えない
こんな人におすすめ:DDR5のメモリスロットがあるノートパソコンを、16GBや32GBにしたい人。
Samsung 870 EVO(2.5インチSATA SSD)
メーカー:Samsung(国内代理店:ITGマーケティング)
HDDからの換装の定番。古いパソコンが見違える
2.5インチ・厚さ7mmのSATA接続のSSDです。HDDを積んだ古いノートパソコンやデスクトップに、そのまま差し替えて使えます。公式の仕様では、読み出しは最大560MB/s、書き込みは最大530MB/sです。
容量は500GB(MZ-77E500B/IT)、1TB(MZ-77E1T0B/IT)、2TB、4TB、8TBがあり、250GBは販売終了になっています。保証は5年、または書き込み量の上限(TBW。1TBで600TB)に達するまでのどちらか早いほうです。無料ソフト「Samsung Magician」で、データの移行や状態の確認ができます。
SATA接続なので、M.2(NVMe)のSSDより速度は控えめです。M.2のスロットしかないパソコンには取り付けられません。HDDのデータを移すには、2.5インチのSSDをUSBでつなぐケースやケーブルが別に必要です。500GBは大量に書き込むと速度が300MB/sまで下がると公式に書かれています。
| 形状 | 2.5インチ、厚さ7mm |
| 接続 | SATA 6Gbps |
| 速度 | 読み出し最大560MB/s、書き込み最大530MB/s |
| 容量 | 500GB〜8TB |
| 型番の例 | MZ-77E1T0B/IT(1TB) |
| 保証 | 5年またはTBW |
| 価格 | オープン価格 |
良いところ
- HDDのパソコンにそのまま差し替えられる
- Samsung Magicianでデータを移せる
- 5年保証
気になるところ
- NVMeのSSDより遅い
- データ移行には別にUSBケースなどが必要
こんな人におすすめ:HDDの古いパソコンを、SSDで速くしたい人。
Samsung 990 EVO Plus(M.2 NVMe SSD)
メーカー:Samsung(国内代理店:ITGマーケティング)
M.2のSSDを大容量・高速に。古いPCIe 3.0のパソコンでも使える
M.2のスロットに挿すNVMe接続のSSDです。公式の仕様では、読み出しは最大7,250MB/s(1TBは7,150MB/s)、書き込みは最大6,300MB/sです。PCIe 4.0 x4とPCIe 5.0 x2に対応し、PCIe 3.0の古めのパソコンでも、速度はそのパソコンの上限までになりますが使えます。
容量は1TB(MZ-V9S1T0B-IT)、2TB、4TBがあります。保証は5年、またはTBW(1TBで600TB)に達するまでのどちらか早いほうです。870 EVOと同じくSamsung Magicianでデータの移行ができます。
もともとM.2のSSDを積んだパソコンで、容量が足りなくなったときの交換用に向いています。古いSSDから新しいSSDにデータを移すには、USB接続のM.2用のケースやスタンドが必要です。M.2のスロットのないパソコンには取り付けられません。
| 接続 | PCIe 4.0 x4/5.0 x2、NVMe 2.0 |
| 速度 | 読み出し最大7,250MB/s(1TBは7,150MB/s)、書き込み最大6,300MB/s |
| 容量 | 1TB/2TB/4TB |
| 型番の例 | MZ-V9S1T0B-IT(1TB) |
| 保証 | 5年またはTBW |
| 価格 | オープン価格 |
良いところ
- 非常に速い
- 古いPCIe 3.0のパソコンでも使える
- 5年保証
気になるところ
- M.2のスロットがあるパソコン専用
- データ移行にはM.2用のケースなどが必要
こんな人におすすめ:M.2のSSDの容量が足りなくなったノートパソコンを使っている人。
玄人志向 KURO-DACHI/CLONE/NVMe
メーカー:玄人志向
パソコンを使わずにSSDをまるごとコピー。換装の一番の山場を簡単に
M.2 NVMeのSSDを2枚挿して、ボタンを押すだけで中身をまるごとコピー(クローン)できるスタンドです。パソコンを使わずにコピーできるので、ソフトの操作に自信がない人でも、SSDの換装がしやすくなります。公式ページでは、1TBのコピーにかかる時間の目安は約30分です。
対応するのはM.2 NVMeのSSD(2280・2260・2242・2230)で、4TBまで動作が確認されています。コピーの進み具合やエラーは天面のLEDで分かり、ネジを使わずにSSDを取り付けられます。換装が終わったあとは、取り外した古いSSDを入れて、普通の外付けUSBドライブとしても使えます。
公式ページには、コピー元の容量がコピー先より大きいとコピーできないこと、暗号化されたドライブは正しくコピーできないことが書かれています。BitLockerなどで暗号化しているノートパソコンは、事前に解除が必要です。2.5インチのSSDやM.2のSATA SSDには使えません。保証は1年です。
| 対応SSD | M.2 NVMe(2280/2260/2242/2230)、4TBまで動作確認 |
| 接続 | USB Type-C(USB3.2 Gen2x2) |
| クローン | PCなしでボタン操作(1TBで約30分の目安) |
| 型番 | KURO-DACHI/CLONE/NVMe |
| 保証 | 1年 |
| 価格 | オープン価格 |
良いところ
- パソコンなしでSSDをコピーできる
- 換装後は外付けドライブとして使える
気になるところ
- M.2 NVMe専用
- 容量の小さいSSDへはコピーできない
- 暗号化したドライブは事前に解除が必要
こんな人におすすめ:M.2 NVMeのSSDを、大容量のものに入れ替えたい人。
よくある質問
ノートパソコンでもメモリ増設はできますか?
機種によります。メモリスロットがある機種なら増設できますが、薄型のノートパソコンはメモリが基板に直付けで、増設できない機種が多くあります。メーカーの仕様表で「メモリスロット」や「空きスロット」の項目を確認してください。
Windows 11に対応していないパソコンは、すぐに使えなくなりますか?
すぐに使えなくなるわけではありません。個人向けのESUに登録すれば、2027年10月12日までセキュリティ更新を受けられます。ただし、新しい機能や技術サポートは含まれないので、それまでに買い替えを計画しておくのがおすすめです。
増設と換装、両方やったほうがいいですか?
原因によります。メモリの使用率が高いならメモリ増設、ディスクがHDDならSSD換装が効きやすいです。両方の条件に当てはまる古いパソコンは、両方やると大きく改善することがありますが、合計の費用と、CPUの古さも考えて、買い替えと比べてみてください。
まとめ|CPUが対応していれば直す、対応していなければ買い替え
遅いパソコンを直すか買い替えるかは、CPUがWindows 11に対応しているかで大きく分かれます。CPUが対応していて、メモリ不足やHDDが原因なら、メモリ増設やSSD換装で快適になる可能性があります。CPUが対応していない、メモリを増設できない、という場合は、買い替えたほうが確実です。
まずはタスクマネージャーで原因を確かめて、メモリならKingston FURY Impact、HDDからの換装ならSamsung 870 EVO、M.2のSSDの交換なら990 EVO Plusと玄人志向のクローンスタンドを候補にしてみてください。
※価格・在庫・仕様は記事作成時点(2026年10月)のものです。最新の情報はリンク先の商品ページでご確認ください。